他サイトのコピーペーストで問題ない?
そのサイトにあった規約を準備できるか?
ネットショップなど利用規約を作成する目的は前のページで述べたとおり、サイト内や事業を行っていく上で生じるリスクを未然に回避するというものです。 ですから、そのサイト、事業形態にあった規約を準備できなければ、仮に規約があったとしても逆にその規約が自分のサイト、事業の首を絞めていくことになりかねません。
たとえばほぼ同じ業種の、取り扱っている商品もほぼ同じ大手サイトの利用規約を流用したとします。 大手サイトですからしっかりした規約を弁護士や行政書士に依頼して作成している可能性が高いでしょうから、規約の条文などにも信頼性があるでしょうし、扱っている商品も同じであれば大きな問題もないはず・・・と考えるのはある意味当然ではないでしょうか。
しかしそこには大きな落とし穴が待っているかもしれません。 もしも流用元の大手サイトがクレーム対応でどんなことでも自分たちが損をしても顧客のいうことを聞くように規約を設定していた場合、流用した自分の会社やお店の体力をどんどん消耗していってしまう可能性だってあります。 まったく逆の規約を流用元が設定していた場合は流用した自分たちが顧客からの信用を失っていくことになるかもしれません。
逆に経営規模や展開形態の似たような(似たようにみえる)会社で、取り扱う商品などがまったく異なる場合、その規約を流用できるでしょうか?
答えは「NO」です。 たとえば小瓶に入ったサプリメントを販売するネットショップ、パンなどの食品を扱うネットショップ、ガラス細工などを扱うネットショップの3つがあったとします。 これらの3種類のネットショップに潜んでいるリスクは同じでしょうか? 配送方法や支払いについてのリスクはさほど変わらないと思いますが、瑕疵担保(欠陥品などについての取り扱い)や返品、返送等についてのリスクとそれに対する条文はまったく異なるはずです。
このように、もし他サイトの規約の条文をコピーペーストで用いる場合にも、実際に自分のサイトできちんと機能してくれそうかどうかについて考える必要があります。 しかし、他サイトの利用規約をコピーペーストする場合には、次のようなリスクを背負うことになるかもしれないことを理解する必要があります。
重要な「対となる条文」を見落とすリスク
利用規約では、複数の条文でひとつのリスクを回避している場合があります。 よく引き合いに出すのが、「会員資格の管理」についての条文です。 たとえば、以下のような条文があったとします。
1. 当社は,会員登録を行った利用者に対して,ログインID及びパスワードを発行します。 会員は,同ログインID及びパスワードの管理を自己の責任において行わなければなりません。
2. 当社は,特段の定めがない限り,入力されたログインID及びパスワードが前項の登録されたものと一致することを当社が確認した場合,当該利用が会員本人による利用であるものとみなします。
わたしが会員制サイトの規約を作成した場合、この2つの条文だけではなく、別な条項でもっと突っ込んだ取り決めをする場合がほとんどです。
たとえば「免責」について定めた箇所で
会員IDやパスワードの第三者利用についての「当社」の免責について定めたり、「会員資格の譲渡、貸与等」を定めた箇所で会員資格の譲渡・貸与を禁止する旨定めたり、「禁止事項と罰則」の箇所でIDやパスワードを譲渡・貸与した場合の罰則を定めたり・・・。
また、違う例としてわたしが規約作成の依頼で体験した話をあげたいと思います。
わたしが初めてネットショップの利用規約の作成を依頼されたとき、そのお客様から次のような条文を加えてほしいと要望されたことがあります。 そのお客様は似たような商品を販売している他サイトにこのような条文があるから・・とおっしゃっていました。
購入した商品等の引渡しについて,同商品等に関する紛失のリスク及び所有権は,当社が同商品等を配送業者に引き渡した時点でお客様に移転するものとします。
この条文、法律をちょっとかじった人間からすると「ちょっと変な条文」ということになるかと思います。
実際わたしもこのお客様に「この条文だけではお客様が逆に大きなリスクを負うことになりますよ」とお伝えしました。 そうするとお客様はわたしにURLを教えてくれて「ここに出ているからそのようにしてほしい」とお答えになりました。(どのようなリスクを負うことになるのかについては「規約と法律との関係 その1」のページで)
その2~3日後、ちょっとした機会からわたしがとある大手ネットショップの規約から同じ条文を発見しましたが、そのサイトの規約にはわたしが先日お客様に「リスクだ」と伝えた箇所についてのリスク回避の条文がありました。
わたしはそのあとお客様から教えていただいたサイトの規約をもう一度見直しましたが、やはりその規約にはそのもうひとつのリスク回避の条文はありませんでした。
あくまでもこれは私の予想ですが、そのお客様から教えてもらったサイトの管理者が大手サイトの規約を見てこれは便利だと思ってコピーペーストしたのだと思います。 ところが、その対ともいうべき条文にまでは目が届かなかった、というのが真相ではないでしょうか(その大手サイトの規約は膨大なもので、上の条文とその対になる条文が別なページに書いてありました)。
結局、当然のことながらわたしはそのお客様の取り扱っている商品にあった形の「対になる条文」を作成しなおして上の条文とともにお客様の利用規約内に設置したのですが、そのときのお客様も「自分でコピペしていたらそんなリスクがあること自体考えもつかなかった・・・」としみじみおっしゃっていました。
このように、規約では、あるひとつの規定を補完する規定がまったく違う場所にある例が多々あります。 それらを見落とすことで、逆にリスクを負ってしまうことも多々あります。
結局コピーペーストで規約を作成してよいのか?
わたしの考えとしては、もし法学部を卒業するなどの形で法律にかかわったことがある人で、法律についての知識がある程度あって、条文を読んでリスクが消せているのか、また、その条文があることによって新たなリスクが生じていないか(対になる条文が必要かどうか)がわかる人であれば、自サイトの規約を他サイトのコピーペーストで済ませても問題ないかと思います。
あまり法律に詳しくないという人は、コピーペーストして規約を作成した場合にはできることなら法律に詳しい方にチェックしてもらうようにしたほうがよいかと思います。
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たとえば「利用規約を自分で作成したんだけど、本当にこれでいいんだろうかと不安だ」というサイトオーナーの方にぜひご利用いただきたいサービスです。
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そのサイト・業種・内容にあったオリジナルの利用規約を作成することでサイト運営にかかるリスクを大幅に減らすことができます。 塩坂行政書士事務所では、そのサイトにもっともあったオリジナルの利用規約をご注文を受けてから作成しています。 |
![]() 行政書士・塩坂 壇 |





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