【利用規約の書き方】利用規約の文章の書き方の基本2

具体的?それとも抽象的?

 WEBサイト、特にネットショップなどの現金、商品を扱うWEBサイトでは、リスク回避のためにトラブルが起きそうな事案に ついてできるだけ詳細に、細かく利用規約を作成する必要があります。 しかし、なんでもかんでも規約で定めてしまうとその規約が逆に運営者の首をしめてし まう可能性もあります。

 たとえば、サービス内容やそのWEBサイト内で利用できる内容につい て詳細に規約で定めた場合、将来的にそのサービス内容などに変更があった場合や微調整などを行った場合にも、その都度規約を変更しなければならなくなって しまいます。 規約の改定の回数が多くなってしまうのもあまり得策とはいえません。

 では、こ の規約の具体性と抽象性をどのようなバランスで考え、解決させたらよいのでしょうか。 WEBサイト内のサービス内容などはそのサイトが大きくなったりし た場合に変更したり追加したりする可能性もあります。 利用料金なども将来的に変更する場合もあるかと思います。
それらのものを規約という形でまとめるとそのようなサービスの変更や追加のたびに規約を変更しなければならなくなりますが、サイト内でそれらのサービス や利用料金などを規約とは異なる形で定めておいて、規約では次のように定めておくと、いちいちサービスの変更や追加のたびに規約を変更する必要はなくなり ます。

本サービスの種類,内容,利用料金等は,弊社が別途定めるとおりとします。

 代金の支払い方法もたとえば現在は代引きと銀行振り込みのみだけど、将来的にはコンビニ決済やクレジットカード決済なども導入したい、と考えている場合なども次のように定めておけば、決済方法を増やした場合にも同じように規約の変更をせずに済みます。

購入した商品の代金等の支払いは,弊社が指定した手段によって行われるものとします。

 これらの規定を設ける場合には同時に次のような条項も設けておくとよりよいでしょう。

 弊社が当サイト内の各サービス上において提示する利用上の諸注意,ガイドライン等が存在する場合,同諸注意等は,それぞれ本規約の一部を構成及び補完するものとします。

「トラブルは相手のせいで起こった」ことにしてしまう文章の工夫

 サイト運営者、ネットショップ経営者にとって「規約で親切に忠告してあげたのに守らなかったからトラブルになったんでしょ?だから当社は責任を負わないよ」といえるような条文の書き方ができればそれがベストといえるのではないでしょうか。

例文3:
当社は,本規約の内容を必要に応じ予告なくして改定することができ,会員は,月額サービスを利用する際,その都度,本規約の内容を確認するものとします。 改定後に会員が月額サービスを利用した場合には,改定に同意したものとみなします。 なお,本ページを確認しなかったことに起因する直接または間接に生じた会員及び第三者の損害について,当社は,その内容,態様の如何に係わらず,一切の責任を負わないこととします。

 上の条文は規約を変更する際の利用者の同意についての条文です。
この条文では、利用者(会員)にこのサイトを利用するたびに利用規約を確認するように定めて、それを怠って「利用規約を変更したなんて知らなかった」といっても当社は知りませんよ、ということにしています (経済産業省の見解では、この規約の変更と利用者の同意については、この条文だけでは不完全とみなされるので、もう一工夫必要になりますが・・・)。

「みなし規定」というテクニック

WEBサイトを訪問者に利用してもらう際の注意事項、守ってもらわなければならないルールを不特定多数の「予期せぬ訪問者」に同意させる(させるように仕向ける)ためにもっとも有効なのが規約における「みなし規定」という書き方です。
 つまり、「このサイトを利用するということはこの規約に同意している」ということにしてしまうのです。

 この「みなし規定」は特に訪問者のグループのうち「閲覧者」に対して規約に同意させる(ように仕向ける)際に有効な手段となります。 上であげた例文3もみなし規定を使った例の一つといえます。

 この「みなし規定」は会員IDやパスワードを利用する会員制サイトの本人確認にも応用できます。

「弊社は,特段の定めがない限り,入力されたログインID及びパスワードが登録されたものと一致することを弊社が確認した場合,当該利用が会員本人による利用であるとみなします。」

 この例のような条文があることによって、キャッシュを利用してパスワード等を管理している会員のPCの第三者利用を「会員本人による利用」とみなすことができるので、そのようなクレームに対する防御策になります。

  ただし、この「みなし規定」は前提となるほかの条項がしっかりと定められていなければあまり大きな効果は期待できません。 たとえば、上の会員規約でのみなし規定では、他の条文で会員の「IDやパスワードの管理義務」の規定を定めた上で、会員に対する禁止事項として「ID・パスワード等の管理義務違反」に ついて定めておくことによってはじめて上のみなし規定がより有効な防御策になるのです。

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行政書士・塩坂 壇

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